いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「盟約のリヴァイアサン」丈月城(MF文庫J)

盟約のリヴァイアサン (MF文庫J)
盟約のリヴァイアサン (MF文庫J)

天空より飛来するドラゴンの襲撃に、人類が脅威にさらされている現代。人は魔術によって創造された蛇霊体《リヴァイアサン》を駆り、抗戦の日々を送っていた。“蛇”の契約者にして、竜を討ち滅ぼす救世の戦乙女――《魔女》。彼女たちの契約をプロデュースすることを生業とする少年、ハルこと春賀晴臣は、幼なじみで欧州屈指の魔女、アーシャの(強引な)要請で3年ぶりに「東京新都」に帰還する。妖精のような容姿の少女に連れ添って、高校転入に拠点確保と奔走するハルだったが、突如、上位種のドラゴン“ソス”の襲撃に遭い――!? いま、竜と竜殺しの新たな神話が息吹きを上げる! 至高の《新生》エンタメ、堂々開幕!

カンピオーネ!』の丈月城MF文庫J進出!



神殺しの次は竜殺しか。……似たようなもんだよねw


舞台は一部廃墟と化した東京。学園要素(今のところおまけ程度だが)や、女子しか持てない能力、なのに最強?の能力を得る主人公とよく見かける設定。一風変わっているのは竜が明確な敵であり月から飛来してくるところか。また、主人公・ハルは飄々とした性格で、常に冷静なので読んでいて安心感がある。
という安定した土台で生きるのが二人のヒロイン。妖精的な容姿に残念女子力を兼ね備えたアーシャと、裏表がなく陽の気を発散する織姫。
アーシャは既にハルに気がある幼馴染みでツンデレ気味。但し、ところどころ残念なので台詞が微妙に斜め上だったりピントがずれていたりするのが可愛く楽しい。対する織姫は思い立ったらまず行動という性格がラブコメではニヤニヤシーンを、バトルでは見せ場を演出してくれる。後から周りの評判を知って凹む姿が萌えポイント。そんな二人がハルに絡む日常パートは、意識しないでハルに寄り添ってしまう織姫とそれに張り合うアーシャの図が楽しい。
それにしても二人とも『カンピオーネ!』にはいないタイプなんだよね。どんなタイプのヒロインでも魅力的に書ける筆力に感服です。
ちなみにアクションはvs竜ということで見栄えはするものの、説明が多くて流れは悪い、良くも悪くも“らしい”バトルシーンだった。
そんなわけで、文句なしで可愛いヒロインたちにキャラが生きる日常パート、派手だが説明多めでスピード感の無いバトル。正しく丈月城作品でありました。
次は学園要素の増加とヒロイン一名追加が確定的なので日常パートが楽しみ。デレに転じた織姫が早く読みたい。